「温かい食べ物は人の心を元気にするでしょ」 びっくりうどん 40年目 - 中日新聞

(上)元気な笑顔で100円の「びっくりうどん」を提供する橋階のり子さん(下)25日で40年目を迎える「びっくりうどん」=いずれも加賀市冨塚町で

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加賀・冨塚町 全品一度も値上げせず

 加賀市冨塚町のうどん店「びっくりうどん」が二十五日、開店から四十年目を迎える。百円ぽっきりの素うどん「びっくりうどん」が名物。店主の橋階(はしかい)のり子さん(71)=小松市串茶屋町=は、女手一つで二児を育てながら店を切り盛りしてきた。「温かい食べ物は人の心を元気にするでしょ」。明るい笑顔で熱々うどんに元気を添え、はつらつと店に立つ。(小室亜希子)

 店は県道の加賀市作見町交差点角にあり、大きな看板と簡素な店構えが地元民でなくても、言わずと知れた存在。百円の素うどんを基本に、天ぷらうどん(二百四十円)や肉うどん(三百円)などのバリエーションがある。素うどん以外のメニューも一度も値上げなしというから、まさにびっくりだ。

 橋階さんは岩手県平泉町出身。父親の仕事の関係で、二十代前半で小松市に移り住んだ。三十二歳だった一九八一(昭和五十六)年四月、夫の勤め先だった酒販店のおかみさんに勧められ、現在の店をオープンした。夫は三年半後、病気で急死。当時、小中学生だった娘と息子を育てながら、病気で一日も休むことなく、店を開けてきた。

 店にはいろんな人が訪れる。いつも肉うどんだったのに、素うどんを頼むようになった人、遠慮がちに小さな声で素うどん一つを頼む人も。橋階さんは懐具合を察しつつ「ちゃんと自分の財布で食べてる。それでいいんよ」と声を掛ける。「温かいものを食べれば、自然と背筋が伸びる。前を向いて帰ってほしい」。心を込めて丼を手渡す。

 レジの横には空き瓶の募金箱がある。病気や災害などで親を亡くした子どもたちを支援する「あしなが育英会」に毎年寄付して二十五年以上になる。夫を亡くし、途方に暮れた時、いろんな人が支えてくれた。その恩返しにと始めた。年末になると、小銭をためて持ってきてくれる人がいる。その気持ちがうれしい。

 「店があって、お客さんがいたから、自分で食べてこられた。私も少しは人の役に立てたかな」と目尻を下げる橋階さん。「今日一日を無事に過ごせて良かった。そう言って笑いながら、これからも元気に店をやっていきたい」

 二十五日まで営業した後、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、五月六日まで休業する。午前九時〜午後四時。火曜定休。

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